「〜ねばならない」と「諦める」の狭間で

TVの番組でやってた話で申し訳ないけれど、夕食を食べてるときに流れていた番組で、いろいろ考えさせられました。



婚活中の結婚したい女性芸能人やスポーツ選手に、どうすれば結婚できるのかを、様々な分野でのオーソリティの先生の方々が指南し、解決するという内容。その先生方の中には、評論家、セラピスト、心理カウンセラー、人生相談の専門家などに交じって、元ヤンキーの親玉、元NO.1ホストとか、新宿のオカマの相談役、ギャルママのモデル、そして、なんと15歳の子供電話相談員、11歳の子役タレントまでが登場。最後のふたりが、おそろしく聡明で、大人顔負けの素晴らしい回答を連発されてました。最近の子供はすごいね。

その番組の中で、婚活中のあるスポーツタレントに、女性の心理カウンセラーが「あなたは、長女で幼いころから、こうしなさい、こうでなきゃダメって育ってきて、ずっと頑張り過ぎているのよ。ゆえに、男性にも高いハードルを突き付けて、男性を自ら遠避けているの。こうでなきゃ、頑張らなきゃっていう固定観念に縛りつけられているの」という解答をしていたんです。

このシーンを見ていて、まさに、いまの日本と同じだなと。「将来への閉塞感」の根本の原因のひとつがそこだなと、ハタと膝を打ったのは私だけでしょうか。



長引くインフレ不況、物事の均一化(コモディティ化)により、厳しさを増す仕事。ますます複雑化する、世知辛い人間関係。厳しい入試や就職試験を突破して、やっとの思いで入った企業も、10年後に存続できているかの保証もない。婚期が遅れて、一生独身を選択する若者が増え、子育てに莫大な費用と時間が強いられることによる少子化や自殺が止められない。年金制度を含めて失墜の一途をたどる国や政治への信頼。

ふうっー。

昭和の高度成長時代から、1991年湾岸戦争あたりまで日本の経済は成長し続けてきました。「1億総中流」という言葉に酔い、国民全員が中流階級だという固定観念という病に感染してしまった。経済大国日本、GDP世界第二位の幻想は、すでに壊れてしまったというのに。国土も、資源も人口も比ではない中国やロシアやインドに、勝ち続けるのが、当たり前なんだろうか。

これって、アメリカも同じかな。世界の警察であり、自由主義世界の秩序を守るためなら、多少の犠牲は目をつむって、戦争しても解決するのがアメリカの使命みたいな・・。

「〜ねばならない」という病から脱して、ある意味、少し「諦める」って時期に来ているのではないでしょうか。国や会社に、身を預けていれば安心という時代は、すでに終焉を迎えているのかもしれません。

諦めるものはあきらめて「好きなことを追求して生きること」が、大切な時代になっている気がします。生きること自体が困難な時代だけれど。それゆえに、これからは農業でも、林業、漁業でも、調理でも裁縫でも、大工でもなんでもいいんだけど、フリーランスで、結婚しても、幾つになっても、どこの国でもできる技術を身につける、手に職をつけるって、素晴らしいと思います。

最低限生きていける技術。でも、好きなことでなければ続きません。これってほんとうに重要。

これからの時代を生き抜くためにも、うちのスタッフには、美容をもっと好きになって、生きるためのベースとなる技術をしっかりと身につけて欲しいと切に願っています。