同じご飯を食べること


快晴。





阪神芦屋駅近くの写真。この教会のみえる場所がお気に入りです。ジグザクに上がるアプローチがステキでしょう。

各サロンで、お昼やレッスン前に、炊き立てご飯を食べ始めているみたい。

一人暮らしの子達には、とくに好評。




美容師は、サロンの中で一日の大半を過ごします。

朝の身支度、朝礼、掃除と準備、お昼ご飯を挟んで営業、掃除、終礼、ふり返り、そしてレッスン・・。

これを、水曜日から日曜日まで繰り返すわけです。もちろん、レッスンがない日もありますが。うちのサロンでは、「レッスンしなさい!」とは決して言いません。自分で、やろうと決意しなければ、本当に身につくとは思えないから。

「今日は、彼とデートだったのに・・」と、いやいやレッスンを2時間やっても効果なし。自分で、「これだけはやっておこう」って決めて15分やったほうが、きっと身につくものは大きいように感じます。

ともに過ごす時間が多くなり、ともにレッスンを繰り返すと、だんだん家族のようになってくる。

年長のものが、お兄さん、お姉さんとなり、幼い弟妹を指導し、教える形で小さなピラミッドが出来上がります。家族同然ですから、様々な問題も生じます。その時々に、ディレクターや店長やチーフが親身になって話を聞いたり、相談にのってあげたり。

美容の技術論(狭いところへ入り込んで、身動きが出来なくなっていく)にとどまらず、「生き方」、「働き方」みたいなところにも話は及んでいく。

若者ですから、目先の欲望に戸惑い、迷い、悩む・・。

そんなとき、同じように壁に当たり、乗り越えてきた先輩からのアドバイスは効くのです。



ちょうど、たまたま故郷に帰ってきた渥美清演じる、風天の寅さんが、前田吟に「偉くなるために、勉強しなさい!」と言われている甥や姪に、「おいさんをみてみな、人生には、勉強よりも、もっと大切なものがあるにきまってらぁ〜」とブレークスルーしてくれる。


家庭の中で、がんじがらめに固められた関係に、風穴をズボズボと開けてくれるごとくに。



若いヒトには、ちょっと解りにくい例えかしら。




そんな大家族的な関係の中で、社会や人間を知り、人生を学び、成長していく。

こんなコミュニティ、小さなヒトのピラミッドの集合体が社会なんだと。

それが、「同じ釜の飯を食う」ってことなんだと日々、感じています。