ジブリ作品「風立ちぬ」鑑賞

堀辰雄堀越二郎へのオマージュとして描かれた宮崎駿監督、渾身の作品「風立ちぬ」を鑑賞しました。

レイトショーでしたが、ほぼ満員。関心の高さがはっきり。さすがに、ジブリ鈴木プロデューサーをして「宮崎監督の遺言」と称される作品。でも、子供にはやや退屈な作品かな。そのあたりは、後ほど。


まずは、4分の予告編を。

http://youtu.be/-Q6pStcvr4U



1930年代の日本で、零戦ゼロ戦)という稀代の名機を設計した堀越二郎氏をモデルに、飛行機作りに情熱を傾けた青年の半生を描いています。

当時、ゼロ戦は世界に誇れる戦闘機でした。

機体が軽く、操縦性能に優れ、燃費が良い。現代でいうなら携帯電話や、ハイブリットカーのように、繊細な技術力、緻密に設計により存在しえた戦闘機でした。

その製作には非常に高い技能を要し、大量生産には向かなかった。第2次大戦の際の、アメリカの戦闘機・グラマンなどは、大馬力エンジンで簡単な構造であったので大量生産され、結局、資源の乏しい日本は、ゼロ戦を有効利用できず、戦争に負けてしまいます。


製品自体が優れているから、広く世界に普及するとは限らない。これはそのまま、携帯電話や液晶モニター半導体に当てはまりますね。

主人公・二郎の声の担当が話題になっていますが、そんなことは別にして、堀辰雄氏の「風立ちぬ」を下敷きにした素晴らしいラブストーリーでもあります。小さいお子さんのおられるご家族には、ラブシーンなどあり、ややツラい作品かも。


日本のアニメの自己言及としての特徴の一つ。戦争の悲惨さや生死の問題を掲げた日本のアニメを、手塚治虫氏や宮崎駿氏は、その戦争体験からか、たくさん世に出しておられます。

たとえば、「風の谷のナウシカ」は、満州事変から原爆投下までをモチーフにした作品ですね。ご存知でしたか?キョシンヘイが、原爆に当たるそうです。



そういった意味でも、宮崎監督を代表する作品に間違いありません。


ぜひ、ハンカチを用意されて映画館へ。

ユーミンの「ひこうき雲」がテーマ曲。うまく映画の内容にピッタリの歌を、古い曲の中から探し出してきたなと感心です。

http://youtu.be/ZI9PF64JTAc

◆「風立ちぬ



宮崎駿が月刊模型雑誌「モデルグラフィックス」に連載していた漫画を自らアニメ映画化。宮崎自身が監督を務めるのは2008年の「崖の上のポニョ」以来となる。零戦こと零式艦上戦闘機の設計者として知られる堀越二郎の半生を、堀辰雄の小説『風立ちぬ』のエピソードを盛り込みながら描く。音楽は「風の谷のナウシカ」以来すべての宮崎作品を手がけてきた久石譲が担当。主題歌として荒井由実(現・松任谷由実)の「ひこうき雲」が起用された。