ちょっと想像つかないけど・・
一夜にして、「ときの人」になるってどんな気持ちだろう。
富とか名声。
言葉で表せない、想像をはるかに超えた喜びに、打ち震えるのだろうか・・。
しかし、積み重ねたプロセスの裏付けとがあってこそ。
人間的な形成がなされていないうちは、逆に不幸せにならないだろうか。
物事に誘惑や落とし穴、障害はつきものだ。
それはお約束みたいなもの。
例外もあろうが、キャリーオーバーの宝くじで1等賞に当選とか、若くして、すべてを手に入れた子役の俳優さんなんかは、晩年、あまり幸せだと聞いたことがない。
ここから先は、想像でしかない。
実際に、そういう立場になったことがあるはずもないので・・
桁外れの富や名声を、突然、手に入れることのリスク・・。
単純に考えて、最初に物欲走り、ブランド物の服装で固め、超一流のレストランで食事を繰り返し、フェラーリに乗り、家と別荘と自家用ジェットを購入、世界中を旅して、同時進行で女(異性)にうつつをぬかし、とっかえ引き換え。世界のカジノでギャンブル三昧。刺激のあるものに見境はなくなる。宗教に走るかもしれない。さらに、エスカレート。とても平常心ではいられない。
やがて、様々な輩が列をなして集まってくる。
見るも豪華な極彩色の装飾をちりばめた、甘いだけのスウィーツのごときメタファー。最後まで親切に微笑むマトリョーシカばりのご提案。あるいは、あなたにとって最善とか最良と謳われた、開発段階の新薬のようなご忠言を携えて。
曇ったゴーグルをかけさせられたまま、まったく身動きの取れないコックピットで、グニャグニャのステアリング、ブレーキとアクセルのF1マシーン。音速を超えた走行を余儀なくされたF1パイロットかのよう。
ちょっとしたことでは喜べない。普通の生活では、楽しくなくなる。果てしない刺激を追い求め続ける。
すでに、自分自身のことが好きで、真のシンパシーをもって周りに人が集まるのか、自分のもっているものを目当てに人が寄ってくるのか分からなくなるのだ。誰も信じられない・・
それは、親兄弟でさえも。
それでも、人を突き動かすもの・・・それは、
・・なんてことを、想像してしまうのは凡人であるが故だろうか。
生まれもって、すべてが備わった人生なら・・
生まれもって裕福な家庭に生まれ、人並み外れた才能に恵まれたふたりの男。
性格の異なる男たち。すべてを手に入れたはずの彼らのたどった運命は・・・
◆映画『ラッシュ/プライドと友情』予告編
F1レーサー、ニキ・ラウダとジェームズ・ハントが壮絶なタイトル争いを繰り広げたドラマを映画化。事故で大けがを負いながらもシーズン中に復帰したラウダと、性格もドライビングスタイルも正反対なハントの死闘とライバル関係を、臨場感あふれるレースシーンと共に描く。監督は、『ビューティフル・マインド』などの名匠ロン・ハワード。陽気なハントをクリス・ヘムズワース、冷静沈着なラウダをダニエル・ブリュールが演じる。