猟奇的な彼女

世界は、いろいろな人生で溢れている。


この世に生を受けて、ただただ、人生を楽しむために生きる人。自身の遺伝子を子供に託し、アイデンティティの証明にすべてをかけている人。何かを世に問い、何らかの形で人ため、世の中のために何かを追求し続ける人。






先日、「ちはるの森」という個人のブログを読んで驚きました。自らを「暮らしかた冒険家」と称する「ちはる」という女性が開設しているブログ。若くて、雰囲気のある、美形の女子が書かれています。「狩猟女子」と呼ばれているらしい。






誤解を恐れずご紹介しますと、そこに並ぶ記事のタイトルは、「今年も普通の女子が鴨を絞めて、お雑煮にしたよ。」「うさぎはかわいい味がした。うさぎ狩りと解体してきたよ。」といったちょっと引いてしまう内容。


鶏、鴨、猪にうさぎなどを解体し、調理していく様子を写真とともにリポートしている記事や動物を絶命させていく過程の写真や、解体の際に当然出る血なども掲載してあり、はっきり言って「閲覧注意」なブログです。


しかし、その意図はニュースに出てくるような猟奇的な目的では決してありません。いたって真剣に取り組んだ内容です。





http://chiharuh.jp/?cat=10



アップされている記事には「一部生々しい写真が掲載されています」といった注意書きがなされています。が、この表現方法、さらには動物の解体を見せるという行為自体に対して、コメント欄は賛否が真っ二つに分かれた意見で大炎上したそうです。

個人的には、この写真の掲載の仕方はいささか「無謀だな」と思うものの、ブログの記事を読む限り、筆者には「あえてこのような表現手段を取っている」という強い意志が感じられます。体験と考えをまとめた本も、出版された。



さまざまな意見が表出されるのは当然のことだろうし、なぜ彼女がそのような表現手法を取っているのか、取らざるを得なかったのかを考えるに、ネット社会の光と闇、表現の自由の線引きのあり方を考えてしまうのです。



それにしても、昨今、日本の政治や経済の成り立ちを憂い、そこに隠されたメッセージを敏感に感じて、里山に移住し、農業や林業といった本来の人間らしい生き方を選択する若者が増えている。


世界の状況をみるにつけ「便利」と「豊か」のバランスを再度、考えてみる時期にきているように思うのですが、いかがでしょうか。