ニュアンスを伝えること

ついにガッキーこと上垣さんの最終テストが始まった。









ディレクターの合格を3回。そして私を交えての最後の関門です。モデルの方のヘアーを、時間内に完成させて、チェック項目をクリアせねばなりません。

カットの技術は当然のこと、お客さまとのコミュニケーションの力が試される。カウンセリングで好みや悩みやお手入れの技量などを聞き出し、スタイルを提案し、すり合わせて、ご納得いただかなければなりません。



細かなニュアンスや理屈や理論をすり合わせ、お伝えするのはほんとうに難しい。







性別、年齢差、そして、違う言語をしゃべる外国の方であれば、なおさらのこと。擦り合わせが成立しなければ、共同作業は始まらない。




カールの形状、カラーの色目や、スタイルやカットラインなど感覚が、個人で異なるものを、大体同じ程度までに歩み寄ることの難しさを思う。

美的感覚や好みの域になると、千差万別。その難易度はさらに上がる。

固有の生え方があり、クセがあり、髪の張りやコシ、骨格やお顔立ちが異なるのだから、誰かの真似でなく、その方のオリジナルを目指すことが一番。







残念ながら今回は、クリアならず。

唯一無二の素材美と個性。



その方らしさを大切にする姿勢をもった、本物の美容師に育って欲しい。