細田ワールド全開?! 「バケモノの子」

夏になると、突然の夕立。全開にした縁側に吹き抜ける風。夏草の香りがして、耳が痛くなるような蝉の鳴き声と軽やかな風鈴の音。すぐにまた、青空が広がる。うちわ片手にスイカを頬張り、畳の広間で大の字になる。



そんなアニメ「サマーウォーズ」みたいな夏休みに憧れる。日本の大家族の正しいお盆の過ごし方。女系家族の脈々とした家族の良さ。




細田守監督の次作「おおかみこどもの雨と雪」では、母と子の絆。そして、期待の今作品、天涯孤独な少年と育ての父親との絆と葛藤を描いた「バケモノの子」を鑑賞しました。



観賞後の第一の感想として、宮崎駿ジブリ作品「千と千尋の神隠し」のような大作を期待されてしまう細田監督の運命のたいへんさを思ってしまう。



時をかける少女」や「サマーウォーズ」のときのようなのびのびとした感性が、回を重ねるごとに薄くなる気がしているのは私だけではないだろう。




役所広司さんをはじめとして、宮粼あおいさん、大泉洋さん、広瀬すずさん、黒木華さん、リリー・フランキーさんなどの声優さんたちの頑張りや、絵の素晴らしさも、最終的にストーリーあってのもの。一ファンとして、細田監督の良さをさらに引き出せる作品に巡り会われることを祈るのみなのです。





◾️サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」の細田守監督が、渋谷の街とパラレルに存在しているバケモノたちの世界を舞台に贈る冒険ファンタジー・アニメ。ひょんなことから異世界に迷い込みバケモノの弟子になった孤独な人間の少年の成長と冒険を、少年とバケモノの間に芽生えていく絆を軸に描き出す。声の出演は役所広司宮崎あおい染谷将太広瀬すずほか。
 この世界には人間界とは別に、バケモノが暮らすもうひとつの世界があった。渋谷の街にありながら、決して交わることのないバケモノの世界、それが“渋天街(じゅうてんがい)”だった。ところがある日、ひとりぼっちの少年がバケモノの熊徹と出会う。少年は強さを求めてバケモノの世界へ行くことを決意、熊徹の弟子となって九太という名前をもらう。熊徹は一二を争う強さを誇りながら、粗暴な性格ゆえに誰からも慕われることない渋天街のはぐれ者だった。そんな熊徹にことあるごとに反発しながらも、強くなるために懸命に修行に励む九太だったが…。




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