困難な成熟

このところ、スタイリスト昇格試験が続いている。



どの子もがんばっているので、早く昇格させてあげたい。
「合格!!!よくがんばったね」と声高らかに握手をして喜びを分かち合いたい。




そこには基準があり、越さねばならないハードルが存在する。自身でそれをクリアできたという確信がなければ、「自分はやれる」という確信も生まれないし、喜びも半減するだろう。

テクニックとセンスと経験。どれをとっても大切なファクターですが、一番伝えることが難しいのはセンスだと。生まれもって、あるいは生きてきた時間の中で積み重ねられた感性によってしか身に付かない。後者の場合は時間がかかってしまう。




私の考える合格の必修条件のなかで、センスやテクニックや経験は、学びの気持ちさえあれば後からついてくると思うけれど、ひとつだけ外せないものがあるのです。

それは、「髪の生え方とクセ」を読もうという意思です。

出てくるデザインや、接客の柔らかさや、カウンセリングの巧みさはそれほど問題にしていません。「髪の生え方とクセ」を読めなければ、その方がご自身でシャンプーしドライしたときにうまく納まり、それなりのスタイルが維持できるという「再現性」を担保できないからです。



サロンのみんなにカット技術の根幹を贈与するなら、伝えたい第一番目にくるのがこの「再現性」の追求。展開図の理解とウイッグのカットだけでは得られない生えクセを読めれば合格が出せる。

髪がどこに納まりたがっているのか?

ただただ、それだけなのですが・・・。






師匠の内田先生から本が届く。

「困難な成熟」

自分でも購入してサロンの本棚に並べているので、これは先生からのメッセージだなと。不肖の弟子で申し訳ないです。ほんとうにありがとうございます。

「季節外れのサンタクロースであれ!」

贈り物を差し出すタイミングを間違えず、贈与をしっかり実行していきたいと思います。




いつもお読みいただき感謝しています。