「アジャストメント」鑑賞

人には抗えない、決められた運命があるのだろうか。



誰もが、自分の運命は、自身の意思で決まると信じていると・・。





人気SF作家フィリップ・K・ディックの短編小説を“ジェイソン・ボーン”シリーズのマット・デイモン主演で映画化したSFサスペンス・アクション「アジャストメント」を鑑賞しました。

人々の運命が超自然的な存在“アジャストメント・ビューロー(運命調整局)”によって管理されていることを知ってしまった主人公が、その得体の知れない巨大な力に抵抗し、反撃していくさまを描いた内容です。SFというより、究極のラブストリーの仕上がりといっても過言ではないですが。





日常生活で起こるホンの些細な出来事。それすらも、調整員たちによってあらかじめ操作されていく。微調整を施すことで、人類が進むべく正しい方向へと導いているという・・

その調整をやめた時期に、第一次世界大戦大恐慌第二次世界大戦ホロコーストが生じたという設定。どこまでも世界の運命を左右するのはアメリカであるという強引さはいただけないにしても、ベースのとなる物語の着想はおもしろいと感じました。


・・ってことは、現在の混乱するこの世界は調整員が介入していないということでしょうか。


心の空白を埋める為に、仕事を取るか愛を取るかの選択で愛を選ぶあたりや、絆を信じれば運命の筋書きを書きかえられたり、情で運命の展開する点は、やはりハリウッド映画だなと。


誰しもが、自分の運命は、自身の意思で決まると思いたいですが、どうすることも出来ずに運命という渦に翻弄されていくことは否定できない気がします。


この主人公たちのように、自らの強い意志で別の運命を引き寄せ、変えていけるのなら・・。

呪われし運命さえも、違ったものに軌道修正できると信じて疑わない強い意志を持ちたいと願う方には、グッとくる作品です。